初めて覚えたお料理は卵焼きだった。
味付けはただ塩のみ。
まだ小学校に上がる前だったかしら?
師匠はおじさん(父の年の離れた弟)。
褒めてもらえるのが嬉しくて…料理が大好きになった。
私の両親は共働きで小学校の頃から家事をする事が日課になっていた私は当たり前のように料理をしていた。
喜んで貰えることが嬉しかった。
大阪あべの辻調理師専門学校まで行って勉強して調理師免許もとった。大阪と関東では食文化が全く違い面白かった。
全くお金がなかったのでアルバイトが忙しく寝る間もなかった…安く汚いアパートに帰るのも嫌だったけれど(笑)
あの頃は凝った料理やアレンジがもてはやされていたし、評価や勝ち負けにこだわる時代だったけれど…。
私、ずっと思っていた。
「料理は単純な方が美味しいな。」「何のための勝負なんだ?」「技術?いやいや愛情でしょ。」「高級食材?あるもので良いよね。」「いじくり回さないでくれ!」etc口には出せないけれど思っていた。
今も変わらず思っている。
若くして雪山で亡くなった山男のおじさんがよく作ってくれた卵焼きはそれはそれは美味しかった…今も覚えている温かいその味を。
誰かに料理を作って貰えることがどんなに幸せなことか、誰かに料理を作ることがどんなに楽しいことか。
今日はなぜだか私が料理をするようになった原点を思い出した。